路面電車とは、道路に敷かれた線路を走る電車のことです。そんな路面電車を運行している「路面電車会社」は全国に点在。自治体が運営する会社から、民営が運営する会社まであり、観光客や地元の人々を運んでいます。
「路面電車会社検索」では、日本全国の路面電車会社が検索可能。地域別・都道府県順に一覧にしているため、気になる会社が検索しやすくなっています。各施設名をクリックすると、その会社の詳細情報を表示。本社所在地や電話番号、交通アクセス、路線一覧がご覧頂けます。
路面電車会社とは
路面電車とは、道路上の線路を走る電車のことであり、かつては日本中で利用される乗り物でした。自動車の普及と共に廃線となる路線が増え、現在は一部の地域でのみ路面電車を見かけます。
1990年代以降は環境保護の観点などから路面電車が再評価され、従来の路面電車に改良を加えた新しい形の「LRT」(Light Rail Transit)という次世代路面電車が注目を集めるに伴い、路面電車会社のあり方が再構築されてきました。
路面電車会社の歴史と種類、また現代における路面電車会社の新たな魅力をご紹介します。
路面電車会社の歴史

世界で最も古い路面電車会社は、ドイツ連邦共和国にある現在の「ベルリン市電」。1865年(慶応元年)に馬車鉄道の形でベルリンにて開業し、1881年(明治14年)には世界初の電気運転を行う路線が開業しました。
その後、多くの私鉄、公営企業が新路線を開設し、19世紀末には充実した路線網が実現。馬車鉄道は電気運転に転換され、世界各地に路面電車が普及していったのです。
一方、日本で初めて路面電車の営業が開始されたのは1895年(明治28年)のこと。明治維新以降の産業振興計画に伴い、滋賀県の琵琶湖疎水(びわこそすい)の水路工事が行われ、日本初の水力発電が実施されました。
そして、この水力発電を用いた日本初の路面電車が京都の「京都電気鉄道」によって開設。京都電気鉄道の開業に尽力したのが、上下京連合区会議員の「高木文平」(たかぎぶんぺい)です。
高木文平は、水力利用のための視察で渡米し、電気路面電車を目の当たりにします。帰国後、1892年(明治25年)に電気鉄道の敷設を京都府知事に出願。1894年(明治27年)2月1日に京都電気鉄道が設立され、高木文平が社長に就任しました。
その後、電気の普及に合わせて日本各地で路面電車会社の開業が進み、1932年(昭和7年)には国内65の都市で路面電車が運行。しかし、欧米同様に自動車、電車・バスといった様々な交通手段の発展に伴って路面電車の廃線が相次ぎ、路面電車会社は苦境に立たされます。
しかし、次世代型路面電車であるLRT(次世代型路面電車システム)が開発されたことにより、都市計画の一環を路面電車会社が担うなど、再び評価を高めているのです。
路面電車会社の種類
今も残る、日本の代表的な路面電車会社を見ていきましょう。
東京都交通局・荒川線
広島電鉄・市内線
広島電鉄株式会社は、「広電」の愛称でも知られる日本最大の路面電車を有する路面電車会社。各都市での活躍を終えた路面電車の車両を再利用する形で走らせていることから、「路面電車の博物館」と呼ばれることもあり、ファンの中で高い人気を誇ります。
札幌市交通局・軌道線
阪堺電気軌道株式会社・阪堺電気軌道
「阪堺電車」(はんかいでんしゃ)こと阪堺電気軌道(はんかいでんききどう)を運行する阪堺電気軌道株式会社は、100年以上の歴史を持つ現存する最古の路面電車会社。
大阪市と堺市にまたがって路線が走り、阪堺線と上町線の2路線に分かれて運行しています。2013年(平成25年)からは、初の低床式車両「堺トラム」が運行を開始しました。
これまでの車両では、停留場との段差が約40㎝と大きかったのに対し、堺トラムでは約5㎝に縮小。高齢者・子育て世代など、誰もが利用しやすい車両を運行している路面電車会社のひとつです。
現代の路面電車会社
LRT(次世代型路面電車システム)の誕生

現代では、新しい路面電車の形としてLRT(次世代型路面電車システム)が注目されており、路面電車会社のあり方に一石を投じました。導入の背景には、人と環境に優しい都市作りを目指す考え方があります。
高度経済成長期にマイカーが普及した結果、都市部を中心に、大気汚染・渋滞などの問題が発生。そこで、電気で動くことで環境に優しく、一度に自動車よりも多人数を運べる路面電車が見直されるようになりました。
LRTの導入により、現代の路面電車会社はコンパクトシティ化による地域再生・経済活性化に貢献できると注目されている状況です。
国土交通省では、自治体がLRTを整備しやすくなるように「LRTプロジェクト」と称して、LRTの整備から周辺地域の街作りまで総合的に支援するプロジェクトを実施。それを担う代表的な路面電車会社をご紹介します。
富山ライトレール株式会社
LRTの導入成功例として挙げられるのが「富山ライトレール」。JR西日本の旧富山港線を路面電車化し、第三セクター(国及び地方公共団体が経営する公企業)が経営を引き継いで「富山ライトレール株式会社」を設立し、2006年(平成18年)4月29日に開業しました。
富山港線~富山軌道線港で運用される車両は、港を意味する「ポート」と電車を意味する「トラム」を組み合わせた「ポートラム」という愛称で親しまれています。
富山ライトレールは、富山市の都市計画に組み込まれ、コンパクトな街作りを目指すにあたり整備すべき公共交通網として注目を集め、2011年(平成23年)には富山市が国家戦略プロジェクトにおける「環境未来都市」に選定される一翼を担いました。
宇都宮ライトレール株式会社
宇都宮ライトレール株式会社は、栃木県宇都宮市で2023年(令和5年)8月26日に開業した「芳賀・宇都宮LRT」を運営しています。
宇都宮市では、2013年(平成25年)3月にLRTを軸としたネットワーク型コンパクトシティの街作りにおいて、日本初となる全線新設型LRTの敷設を決定しました。宇都宮ライトレール株式会社は、宇都宮市域の東西を縦貫する鉄道路線として、東西基幹公共交通の担い手に位置付けられています。
宇都宮ライトレール株式会社が目指すのは、バス・鉄道、デマンドタクシー(予約制の乗り合いタクシー)といった従来の交通手段にLRTを加えることで、誰もが快適に移動できる公共交通ネットワークを構築すること。LRTにより新たな交通の軸を作り、市内の交通事情そのものを変革するという大規模な計画の一端を担っているのです。
全国の路面電車会社一覧(エリア別)
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