路面電車情報
乗降時のバリアフリーを実現する
超低床電車/ホームメイト
ヨーロッパで開発が進められた超低床車は、路面電車の復活にあたって、昨今では高齢者や障害者に対するバリアフリー化の側面からも検討され、導入される方向となっています。
超低床車の定義

LRTにおいては停留所やホームが、道路もしくはレール面から300mm~350mm程度に設定されています。また、路面電車の停留場では本来プラットフォームが低く設置されているか、そもそもプラットフォームがない停留場などがあります。そのため従来の車両の場合、ステップがなければ乗降が難しく、特に高齢者や障害者への配慮に欠ける部分もありました。そこで車両床面を停留所と同じように低く設定し、低床に重点を置いた車両が超低床車です。世界で最も低床な車両はウィーンのULF型で180mmとされています。超低床車両には、車内の床面に高床部と低床部が存在する「部分超低床車」とフラットな低床部を実現している「全超低床車」の2種類があります。
ヨーロッパで始まった超低床車の開発
1910年頃にはすでに欧米で低床車が導入され、1934(昭和9)年にはドイツのコッペル社が床面の高さが380mmの車両を納入していたとする記録が残されています。その後、1980年代に入り路面電車の導入が再び活発化してくると、各国で低床車両の開発が相次ぎます。スイスでは1984(昭和59)年にACIM社が製造した2車体連接の低床車が導入されました。
その後、低床部分をさらに拡大した70%低床車が、フランスのグルノーブルやイタリアのトリノ、スイスのベルンなどで採用されました。その後、100%低床車が開発されるのは1989(平成元)年のことで、イタリアのACIM社が4軸ボギー車として試作しています。ここで開発された車両はのちに「ユーロトラム」として、フランスをはじめ各国で普及しました。その後もドイツを中心に開発が進められたものの、台車設計の複雑さや保守の難しさ、カーブの際の摩耗や騒音が著しくなるなど、課題が多くありました。こうした課題に対して、ドイツのボンバルディア社が車軸を有する台車を採用した100%低床車「シティランナー」を開発するなど、改良が進められています。日本でも富山ライトレールをはじめ、岡山電気軌道や万葉線、熊本市交通局など様々な地域で導入されています。
世界で使用されている路面電車(トラム)の主な超低床車
ここでは、世界各国で使用されている路面電車の中から、主な超低床車について例を挙げます。
- ドイツ シーメンス
- コンビーノ
- S70
- ULF
- ドイツ ボンバルディアトランスポーテーション
- フレキシティ
- NGT8D型
- VBZBe5/6
- フランス アルストムトランスポール
- シタディス
- イタリア アンサルドブレーダ
- シーリオ
- スイス シュタッドラーレール
- バリオバーン
- タンゴ
- クロアチア クロトラムコンソーシアム
- クロトラム
- ポーランド ソラリス
- Tramino
- ポーランド PESA社
- 120N
- 日本 アルナ車両
- リトルダンサー
